「小説はひとりで創りあげるものではない、ということをつくづく思いました。そして、本当に嬉しい」という福田敬(たかし)さん。第4回木山捷平文学選奨の短編小説賞を受賞しました。
福田さんは、2003年から根本昌夫講師の「実践小説教室」を受講して6年。才能と努力が結実しました。受賞作「池」は、教室における仲間の受講者の忌憚 ない合評と根本講師の適切な講評を受けて、何度も書き直してできあがったものだと言います。その結果が、選考委員が評した「作者独特の世界、文体」につな がったのかもしれません。
「根本先生の教えは、書くためのHow toではなく、受講者に考えさせ、自分で答えを見つけさせる<ことばなき教え>です。ですから、毎回、自分の答えを見つけるつらさに苦しみましたが、見つ けたものは確実に自分だけのものになった」と、福田さんは根本教室での6年間を振り返ります。 福田さんの受賞について、根本講師は「厳しい講評やアドバイスをまじめに聞いて作品を出し続け、推敲を繰り返すことによって力をつけてきたと思う。小説は やはり、書き続けるという持続力が大切なのだということを、福田さんの受賞が証明してくれた。福田さん、おめでとう」と、我が事のように喜んでいます。
なお、受賞作は、新興住宅地近くの竹やぶを舞台に、定年後の孤独な男が、自分の分身やヘビ、ネコ、カエルに導かれて、内面や家族との関係を見つめ直し、新たな世界に踏み入る姿を幻想的に描き出したものです。
※木山捷平文学選奨は、岡山県笠岡市が、地元出身の小説家・詩人である木山捷平の業績を顕彰する目的で設けたもので、今回の選考委員は文芸評論家川村湊さんと作家佐伯一麦さん。

